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活動記録

2017年度

2017年 石狩浜研修会


        石狩浜研修会の報告

 

              7月23日に開催された石狩浜研修会の報告をします。参加者15名で行われました。

 

               タイムスケジュール

                 10:15       集合

                 10:30~12:00  志賀健司氏による講演「ウミベオロジー」

                 12:00~13:00  石狩灯台付近ビジターセンターで食事、休憩

                 13:00~14:30  安田秀司氏(当会会員)の案内で石狩浜観察

 

              集合時間前の前、手持ちぶさたの会員は資料館前の道端の植物を相手にすでに“ミニ観察会”が開かれてしまいました。外来植物が多く、
              ウスベニツメクサ、コニシキソウ、コメツブウマゴヤシ、コシカギク、ヒメチチコグサ、メヒシバ、エゾタチカタバミ、メマツヨイグサなどでした。

 

             講演:『ウミベオロジー(石狩海辺学)』

               講師  石狩砂丘の風資料館 学芸員(主査)   志賀 健司 氏                                 

             (要旨)

              海辺は陸地と海との境界で特別な環境。石狩浜は石狩湾の真ん中で石狩川がたどり着くところ、いろんなものがあって、いろんなことが起こる。       

            1.    漂着物
            海からの手紙。資料館には多数の展示物があり、ハワイにたどり着いた日本製アナゴの罠、ロシアのペットボトル、韓国のライター、アメリカ
            西海岸についた日本製ガラス浮き、注射器、薬品 等々。トドやクジラの死骸、果ては座礁船迄。運が良ければ石炭中から琥珀も。

                生物としてはアオイガイ、ココヤシ、エチゼンクラゲ、ギンカクラゲ、ルリガイ、カツオノカンムリ等。

             アオイガイは研究対象としておりカイ“ダコ”が中に入っている。というよりはカイダコの一部が貝殻状であり、それをアオイガイと呼んでいる。
             アオイガイは南の海から対馬海流に乗って西日本へ流れ着くのだが、温暖化のためか2005年ごろから石狩でも上がるようになった。
 

                (展示コーナーへ移動) ①ダウリアチョウザメ:江戸時代から石狩川で多数見られたが明治大正期には激減した。石狩では神とも崇められ、
             石狩弁天社に祭られている。②クジラの骨:地層より発見され、石狩は広い海だったことがわかる。③アオイガイ:大小さまざまの標本がある。
             詳細不明だが1年の命といわれる。

            2.   キタホウネンエビ
            石狩砂丘の花畔砂堤の融雪プールで発生。ミジンコの仲間で世界でも石狩と下北半島のみに生息し1か月ほどの命しかない。

            3.   蜃気楼
            高島沖から石狩(逆も)を見ると現れることがある。海水温と上空の温度差により生じる。下位蜃気楼と上位蜃気楼がある。

              最後に会長謝辞:“ウミベオロジー”が用語として社会で定着されるよう先生のご活躍を期待しています。

  

            観察会

             当会会員の安田秀司氏の案内で石狩浜の観察会が開かれました。

             遊歩道入り口には石狩灯台と記念碑。灯台はお色直しの真っ最中で、屋根の塗装をはがしてみると銅板葺きであることがわかり、この姿をみられ
            るのは大変貴重 とのこと。
また記念碑のあたりだけでも10種余りの海浜植物が見られ、レクチャーを受けて準備完了。以下の通り報告いたします。

観察会

(コース)

石狩浜研修会 観察会

(遊歩道入り口→石狩川河口 往復)

開催日時

平成29723日(金)13:00~14:30

天候

曇り 30

参加者数

15名 (+案内人 安田 秀司 氏)

 

観察記録

草本

〔開花〕エゾカワラナデシコ、ノコギリソウ、ハマヒルガオ、ハマボウフウ、ヤマアワ、 ハマナス、ハマニガナ、ナミキソウ、テマリツメクサ、エゾノカワラマツバ、ウンラン、ナガボノ(シロ)ワレモコウ、イタチハギ、
オグルマ、ノハナショウブ、オニユリ、コゴメバオトギリ

〔実〕 イソスミレ、ハマハタザオ、コウボウムギ、クゲヌマラン

[その他]コウボウシバ、ハマニンニク(テンキグサ)、オニハマダイコン

木本

アキグミ、オニグルミ、ポプラ類、

ホオアカ、ヒバリ、ウミウ、ノビタキ

昆虫

など

ツノアカヤマアリ、ウリハムシモドキ、ジャノメチョウ、ベニシジミ、ツバメシジミ等

感想など

 一時は採取等で激減したハマボウフウは保護により復活してきたとのこと、ハマナスも増加傾向。遊歩道沿いのオニグルミは20年前からあるとのことですが1m未満であり、他の植物も山野のものと比べると矮小化しているように感じます。いつもと違う海浜植物を見ることができ、楽しめました。

追記:気になることがあり同地を再訪した際、シダ類のハマハナヤスリが見られました。7/29    <記録> 藤田 潔

 

                 


ハマボウフウ ハマナス ホオアカ

 








2017年 キウシト湿原研修会

観察会

(コース)

キウシト湿原研修会
登別市若山町 キウシト湿原ビジターセンター

開催日時

平成29年6月4日(金): 10:00~12:00

天候

曇り 16℃

参加者数

ボランティア・レンジャー会員:13名

観察記録

草本

〔開花〕 ヤナギトラノオ、カキツバタ、アギスミレ、ホソバノシバナ、エゾゼンテイカ、ヒツジグサ、
     オオヤマフスマ、ヒレハリソウ、イワミツバ、コメツブウマゴヤシ、ムラサキツメクサ、
    タチイヌノフグリ、ツルコケモモ

〔蕾〕   オオウバユリ、オニシモツケ、ガマ、サワギキョウ、サワアザミ、クモキリソウ

[果実] ミズバショウ、マイズルソウ、オオバタチツボスミレ

[その他〕ヒメシロネ、ミツガシワ、シロバナカモメズル、フトヒルムシロ、タヌキモ、イトモ、ミクリ、     オオノアザミ、オトギリソウ、トモエソウ、ミズオトギリ、ヤマニガナ、クサレダマ、ヘラオモダカ、  エゾリンドウ

 [イネ科] イ、コウガイゼキショウ

木本

〔開花〕 ホオノキ、カンボク、ツリバナ

〔蕾〕  ミヤマイボタ、ヤマブドウ、クマイチゴ

[果実] ヤチダモ、ズミ、ハンノキ

[その他〕ウコギ

シダ

 ミヤマワラビ、ヤマイヌワラビ、クサソテツ、オオメシダ、ヤマドリゼンマイ、コウヤワラビ、ゼンマイ、
 サトメシダ、ヒメシダ

コケ  ワラミズゴケ、オオミズゴケ、モウセンゴケ

 ウグイス、カッコウ、コムクドリ、オオヨシキリ

* 鳴き声も含みます。

生き物など

 モノアラガイ、オカモノアラガイ、エゾ糸トンボ、カクモンヒトリの幼虫 

感想など

 キウシト湿原の歴史、地形、貴重種について、現在再生途中であることを、ビジターセンター理事長の堀本氏から説明をしていただきました。 その後ビジターセンターのスタッフの方々の案内で体験エリア、保全エリアの順に周りました。イネ科、カヤツリグサ科の宝庫でした。
保全エリアには貴重種のワラミズゴケの群生地、またレットデータ種のオオミズゴケも生育し、大切に守っていました。
ビジターセンターの皆様が湿原を守り育て、次世代に繋いでいきたいという思いが伝わり、私たち一同ぜひ大事にしてほしいということをお願いしてきました。

 報告者 研修部 菅 美紀子

 

オオミズゴケ アギスミレ キウシト湿原


北海道ボランティア・レンジャー協議会